カテゴリ:  琵琶湖湖北の旅2007( 4 )

山里に美しい十一面観音を訪ねて(3)~琵琶湖湖北の旅その4

渡岸寺の十一面観音には、昨年秋に東京国立博物館で開催された「仏像展」で拝観しましたが、神々しい美しさに感銘を受けました。          木にこめられた祈り~仏像展へ

その観音様にまたお会いできました。                                   

c0039428_154840100.jpg観音様は本堂の左手にある新しい収蔵庫に納められていました。

飾り気のないがらんとした収蔵庫の中で明るい光に照らされ、「仏像展」で拝観したときにくらべ、なんだかのっぺりした感じに見えます。

「昨年この観音様には二つの大きな出来事がありました。」と案内の方。
「ひとつはこの収蔵庫を新しく建てたこと。湿気を防ぐために壁は総桐、これからはここで大切にお守りします。」
「もうひとつは、どうしてもと頼まれ東京国立博物館の仏像展にお出ししたこと。
でも、今後は二度とお出ししまへん。」
c0039428_15532294.jpg「この観音さんは、天平時代のもの。国宝ですが、国のものでも寺のものでもなく、この村のものです。
織田信長の時代、戦乱に巻き込まれましたが、村人はこの観音さんを地中に埋め、周囲に木炭をたてて湿気を防ぎ、守りました。おかげで金箔ははがれてしまいましたが。」

案内と管理は高月町国宝維持保存協賛会の方々が交代でしていらっしゃるとのこと。
観音様への敬愛と誇りを感じさせます。(写真は北近江総合サイトからコピーしました。)

「昔、井上靖先生がご覧になったときには、暗い場所に置いてあり、懐中電灯でお顔を照らしてご覧になったんです。ちょっとライトを消してスポットだけにしてみましょうか。」
そう言って、案内の方は室の照明を消しました。

天井にある一箇所のスポットライトだけに照らされ、神々しく清楚なお姿の観音様がすくっと私たちの前に現れました。

周囲の人々は、いっせいに観音さまに手を合わせました。
                                      向源寺観音堂
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by small-small-world | 2007-08-02 15:58 |   琵琶湖湖北の旅2007 | Comments(0)

山里に美しい十一面観音を訪ねて(2)~琵琶湖湖北の旅その3

今回拝観した二体目の十一面観音は鶏足寺のもの

己高山(こだかみやま・標高923メートル)を中心とした湖北のこのあたりは、山岳仏教の盛んな地域で、8世紀初め頃には役小角や行基らの山岳修行者達が跋扈し、中世には多くの山岳寺院が栄えたということです。
                       己高山

地理的にも京都の裏鬼門にあたる比叡山と同方角に位置し、一方若狭地方にも近く白山信仰や大陸文化の影響を受けているそうで、なかなか興味深いところです。

己高山の山中には140を越す堂の跡が残っているそうで、滋賀県立大学が数年がかりで調査中ということでした。山頂にあった鶏足寺の跡までは2時間がかり、テントを張っての調査だそうですから大変なことでしょう。
                         滋賀県立大学調査書

c0039428_17541088.jpg己高山の寺院群にあった仏像を安置するための収蔵庫として昭和38年に建てられた「己高閣」(ここうかく)の中に鶏足寺十一面観音は納められています。

柔らかで落ち着いた雰囲気。
最澄が鶏の鳴き声に導かれて山中に分け入り、発見した仏頭を修復し一体の観音像に仕上げたという言い伝えがあるのだそうです。(写真は北近江総合サイトからhttp://www.kitaomi.com/cat/03kannon/catika.html)


「己高閣」(ここうかく)の裏手にはさらに新し「世代閣」(よしろかく)という収蔵庫があり、こちらには行基が開いた山岳寺院群の仏像が納められています。暖かみがありどこか素朴な魚藍観音像が印象的でした。

どちらの収蔵庫もまるで倉庫といった雰囲気ですが、納められている仏像の質は高く、すでに消滅してしまった山岳寺院群の盛時を偲ばせるものでした。

「今は村で管理しているけれど、もともとは集落の住民が信仰している仏像ではなかったものです。」と管理の方が話されていましたが、山岳仏教のあり方を示してるのでしょう。
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by small-small-world | 2007-07-25 00:22 |   琵琶湖湖北の旅2007 | Comments(0)

山里に美しい十一面観音を訪ねて(1)~琵琶湖湖北の旅その2

今回拝観した十一面観音は3体でした。

c0039428_23453659.jpgまずは石道寺の十一面観音

北陸線木之本駅からやや山側に入った集落の一番奥手の小高いところにあるは石道寺は、寺というより村人が守る小さなお堂です。

このあたりの山々は7世紀ころから山岳仏教の霊場だったところで、旧石道寺も現在地よりさらに山間にあったということですが、大正時代に現在地に移し、あたりのお堂にあった仏像を集めて祀ったのだそうです。


c0039428_05192.jpgかつて井上靖がここを訪れたときには、もったいぶってなかなか見せてもらえなかったようですが、今では公開されていて、村のおかみさんがふたりお堂の横手の建物につめて世話をやいていました。


c0039428_17575243.jpg石道寺の十一面観音は平安中期のもの。
紅の残る唇、面差しの優しさ。
こんなに清楚で愛らしさをたたえた十一面観音ははじめて見たような気がします。
山間のお堂にこもる修行者たちは、まるでかわいい妹といった風情のこの観音を愛情をこめて拝み、守ってきたのではないでしょうか。(写真は北近江総合サイトhttp://www.kitaomi.com/cat/03kannon/catika.htmlから)

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by small-small-world | 2007-07-23 18:34 |   琵琶湖湖北の旅2007 | Comments(0)

初めてのツアー参加~琵琶湖湖北の旅その1

琵琶湖北部の村々で村人達が美しい十一面観音を守り伝えてきている・・・・・

是非訪ねてみたいと思いつつ、村々のお堂にまつられている仏像にどうしたらお参りできるのかわからなくて月日がたってきました。

2年ほど前JR50+で「琵琶湖の十一面観音を訪ねる旅」というような企画があるのを見つけ申し込みましたが、申込者が少なかったとかで成立しませんでした。

今年の5月頃同企画に気付いて申し込んだのですが、参加希望が5人だけなので催行はむずかしいといわれあきらめていたのですが、先週になってチケットが送られてきました。
参加44名。びっくりするほどの多勢です。

いつもふらりと思いつくままに旅立ち、地図を片手に探索するのが好きなので
添乗員つきのツアーに参加したのは、海外で1回あるのみ、国内では初めての経験でした。

受動的で思いつくままに寄り道するという楽しみはないけれど、思ったより拘束は少なく、のんびりできて、たまには悪くないものですね。
それに、個人的に旅行するのに較べ価格的にずいぶん安いのにはびっくりしました。
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by small-small-world | 2007-07-22 11:32 |   琵琶湖湖北の旅2007 | Comments(0)

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