二日目の午後は、奈良町界隈をのんびり歩くことにしました。

この前奈良町を歩いたのは、なんと40年も前の3月13日のこと。
なぜ日付まで覚えているかというと、二月堂のお水取りの翌日だったから。とにかく寒くて、空気中の凍った水分が雪のようになって舞う、そんな日の午後でした。
元興寺極楽房を訪れ、そのついでにその周辺の街並みを歩き回ったことだけは覚えています。

c0039428_22335945.jpgもともとは広大な寺院だった元興寺。土一揆で本堂その他を焼失し荒れ果てた境内に人々が居住し始めたのが奈良町の始まり。

江戸期に遡る家々が並ぶ街並みを歩くのは、それだけでも楽しいもの。
ところどころに町家を利用したクラフトの店や和カフェが点在しています。

c0039428_22435628.jpg通りがかりに見つけた江戸時代から続くという砂糖問屋に入ってみると、40代の奥さんが孤軍奮闘。ちょっと立ち寄ったお客さんに水飴の味見を勧めては講釈。

c0039428_22443862.jpg私も試しに購入してみました。
米と麹だけで作ったという水飴は、どこかひなびた味がします。

c0039428_22573547.jpg自分のために奈良町で購入したのは遊中川の手織麻のブックカバー
鳥獣戯画のデザインが気に入りました。裏に麻の葉模様の布が張ってあって、仕立てもとても丁寧です。
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by small-small-world | 2009-10-31 22:58 |   秋の奈良路2009 | Comments(0)

佐保路の三観音めぐり

今回の奈良行きは正倉院展が目的でしたが、正倉院展開催時期にあわせて特別公開する仏像の中から今回は法華寺の十一面観音を拝観してこようと思っていました。さて法華寺とあとはどこを訪れましょう。

近鉄奈良駅の案内所で見つけたのは「佐保路の三観音特別公開」のちらし。↓↓
2日目はこの三観音を廻って歩くことにしました。
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c0039428_1220179.jpg不退寺は、平安京から平城宮に都を戻すことを考え、薬子の乱に関与した平城上皇が御所を置いたところ。
山門のむこう、萩の叢の向こうに本堂が見えます。
本尊の聖観音は孫の在原業平の作と伝えられています。頭には大きくリボン(?)を巻いた独特のお姿。おおらかな雰囲気の聖観音です。


c0039428_12184729.jpg山門を出て、バス通りには戻らずに右へ
畠の中の道を歩き佐紀古墳群のひとつのウワナベ古墳へ
外堀には鴨の群れが浮かんでいました。


c0039428_12202342.jpg海竜王寺は、平城京ができる前から存在した寺院らしく、飛鳥時代の瓦が出土しているそうです。
大きな寺だったようですが、その後荒廃し、今は山門の中に本堂と西金堂を残すのみ。戦後になってやっと整備されたのだそうです。

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十一面観音は荒廃したお堂の中で守られてきたのでしょうか。昭和28年まで秘仏だったそうで、彩色が美しく残っています。
写真右が本堂。左は西金堂。

c0039428_12233970.jpg西金堂は小さなお堂ですが、内部には高さ4メートルの精巧なミニチュアのような五重塔が納められています。なんとなく写真だけを
撮ってきたのですが、実はこの塔は天平時代に作られた国宝。この寺の本来の西塔として作られたもの。西金堂は、この塔を守るための鞘堂なのだそうです。


法華寺は藤原不比等の邸宅跡に建てられた寺院。今では住宅に囲まれていますが、もともとは平城宮の東側に隣接した場所です。

法華寺の十一面観音は思ったより小ぶり
おおらかでふくよかでしかもきりっとした美しさ
光明皇后のお姿を映したものということですが、正倉院展で見た皇后の墨跡の凛々しさと通じます。
c0039428_12262393.jpg本堂左側に、菩提樹の木。
西洋菩提樹の亜種だそうです。

c0039428_12264795.jpgお寺の方が、実を配っていました。高いところから落とすと、くるくるとヘリコピターのように地面に落ちていきました。

c0039428_12305787.jpg佐保路を歩いている人は少なく奈良公園の賑やかさとは好対照です。
女性の一人旅やシニアの夫婦が多いのですが、リタイア・エイジの男性のグループも見かけました。薀蓄を傾けながら楽しそうでした。でも、男性客は少ないですねえ・・・。

西大寺駅にもどろうとバス停の時刻表を見ると週末なのでバスは一時間に一本しかありません。しかもバスは出たばかり。
車の通りの多いところまで出て、運よく通りがかったタクシーを捕まえました。バス停で待っていた一人旅の女性を誘い、車中で秋篠寺まで行ってもらうことを決めました。佐保路あたりは、バスの便が少なくて、その意味では歩きづらい地域です。
c0039428_12282839.jpg秋篠寺の境内は苔むした木立がきれいです。手間をかけて保持されているようです。
本堂は、素朴ながらどっしりとした奈良時代の建物。
首をかしげた姿の伎芸天立像。頭部のみが天平時代のもの。

西大寺駅までは歩いて20分ほど。
静かに楽しんだ散歩でした。
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by small-small-world | 2009-10-29 22:20 |   秋の奈良路2009 | Comments(0)

c0039428_23531981.jpg一人旅なので静かなB&Bに宿をとりました。


c0039428_06458.jpg窓や戒壇の踊り場にはオーナーの趣味の韓国のポシャギや野の花が美しく飾られています。


c0039428_091782.jpg私が好きでいくつか持っている中国やタイの少数民族の刺繍も額装して飾られています。


c0039428_011790.jpg小さな図書室もあるので、一冊お借りして長い夜のんびり読書して過ごしました。

ひとり旅の女性客にぴったりの宿。実際にそんな人が多いようでした。

また泊まってみたい宿でした。
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by small-small-world | 2009-10-25 00:12 |   秋の奈良路2009 | Comments(0)

正倉院展の内覧会のご案内をいただいたので、ちょっと奈良まで出かけてきました。
さわやかな季節。
正倉院展と時期をあわせて秘仏の公開もしているので、ついでにそれも見てきましょう。

c0039428_23344772.jpg内覧会は午後からなので、午前中は興福寺の「お堂でみる阿修羅」と北円堂の公開を見ることにしました。
北円堂に入るのに1時間も並んでしまいました。

阿修羅像も無着像も国宝館にずらりと並んでいるのは何回か拝観したことがあるのですが、並んでまで拝観すると印象も違います。
午後に同じ場所を通ったら、行列もあまり長くはありませんでした。これからいらっしゃる方は午後からのほうがよさそうです。

c0039428_23354754.jpg今年の正倉院展は、天皇ご即位20年を記念したもの。

天平時代に朝廷で行われた農耕儀礼の道具
意外なほどに力強い光明皇后の直筆
豪華な琵琶
素朴な麻織物


シルクロードやインド、中国などとの文化の交流も盛んだったことがわかります。
それにしても精緻な細工には目を奪われます。

興味深いのは、正税帳などの古文書類
天平時代に生きた人々の生活が偲ばれます。

c0039428_23365610.jpg奈良公園は紅葉が始まっています。
東大寺南大門から大仏殿にかけては、修学旅行の学生や外国人観光客で賑やかですが、裏手の戒壇院や三月堂のあたりはひっそりしています。

静かに仏像との対話ができました。
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by small-small-world | 2009-10-24 23:27 |   秋の奈良路2009 | Comments(0)