みちのくの古布

c0039428_2228519.jpg浅草寺ニ天門の脇に新しいMuseumができたと新聞(11月13日朝日新聞夕刊)で読んで行ってみました。


c0039428_2230475.jpgオープニング企画として開催されているのは「布を愛した人たちのものがたり展」

今どき風のおしゃれなタイトルの展覧会ですが、展示されているのは津軽在住の民俗研究家田中忠三郎氏の蒐集した津軽の農山村で使われてきた衣服類です。


厳しい津軽での暮らし
女達は麻を栽培し、それを糸にして家族の衣類をこしらえてきました。

布は貴重品
嫁入りのときに持参するのは、農作業のための衣服数枚を風呂敷に包んだものだけだったそうです。

痛んだ衣服はツギあてをして長いこと着用し、いよいよ着れなくなったものは、さらにつぎはぎして何十枚も重ね仕事着や寝具(ドンジャ)に仕立てたのだそうです。何枚も何枚もの布を重ね、重さはなんと10キロにもなるそうです。破れたところからは綿がわりの麻屑がのぞいていました。
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みちのくの生活の厳しさに耐え、ひたすら生活を守った女性達の必死さが伝わります。
襤褸のような衣服にも、彩りに工夫がされています。

c0039428_22352524.jpg「もったいない」をテーマにした展示ですので、「BORO」と横文字表示がしてあり、マネキンに羽織らせていたりもしましたが、生活の厳しさが思いやられ、心が痛みました。


こぎん刺し施された単衣は国の重要有形民族文化財に指定されています。
丹念に刺された美しいこぎん刺し
厳しい生活の中にも美しさを求めたのですね。
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c0039428_9533576.jpg帰宅後、結婚して弘前に住んでいる旧友のHさんに久しぶりに電話をかけました。
東京育ちのHさんですが青森で民俗調査を続けておられます。

高度成長の時期に地方と都会との差がなくなり、その頃古いものは打ち捨てられてしまいました。
田中忠三郎(青森ではタノチュウーさんと呼ばれているそうです)のコレクションは、貴重だと思います。
これまで青森県内で展示されていたのだそうですが、展示する場所がなくなり、やむなく倉庫に保管されていたコレクションが、東京で展示されたことをHさんは喜んでいました。

c0039428_953556.jpg私も学生時代に会津地方の山間の村での民俗調査に2年間参加したことがあります。
当時はまだ明治時代生まれのお爺さんやお婆さんが健在で、貴重な聴き取りができました。

ただ、私は都会育ちで農家の暮らしをまったく知りませんでしたので、聞き逃したことも多かったことと思います。(汗)
布団には稲藁を入れていた話や飢饉のときのカテ飯は藁を煮たものだったなどと聞いて、本当に驚いたものです。










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by small-small-world | 2009-11-22 22:58 | ☆散歩道 | Comments(0)