メルク修道院~オーストリアの旅(9)
2013年 08月 24日
ザンクト・ペルテンで乗り換えメルクへ。
ウィーンからの電車はほぼ満員だったのですが、ローカル線に乗り換えたら乗客はほんのわずか。
人影のないメルク駅に降り立つと、向かい側の丘のうえに修道院がそびえています。

駅からの坂道を下るとこじんまりとしたでもちょっとしゃれた街が開けています。
川が近いせいでしょうか、涼しい風が吹いています。ウィーンの暑さとは大違い。ちょっと寒いくらいです。
連れ合いはここでウィンドブレーカーを購入しました。

街の途中にメルク修道院へ抜ける細い道を見つけました。

感じのよい道を登っていくとメルク修道院の前に出ました。

ドナウ川にそそりたつ丘の上には10世紀には当時の領主バベンベルグ家の城がありましたが、その後11世紀に修道院が建てられましたが、当時の建物は17世紀にトルコ軍の侵入で焼け落ちてしまいました。
現在の壮大な修道院は1802年から建築されたもの。
時まさにマリア・テレジアの治世下。
なんとも華麗な修道院です。(写真は絵葉書のコピーです。)

バロック様式の修道院付属教会
優美な明るい色彩。ため息の出るような美しさです。


メルク修道院で有名なのは図書室
天井まで届く書棚に納められた書籍
フレスコ画が描かれた天井は書籍を守るために石でできているということでした。

ぎっしり収められた書棚を見て連想したのは、ウンベルト・エーコの難解な小説「薔薇の名前」
中世の北イタリア僧院を舞台に描かれたミステリーの舞台は、僧院の図書室。
主人公の一人の名は「メルク」のアドソ。
往年のメルク修道院にも書籍を守る修道僧たちがいたのでしょう。
修道院のここかしこにバロック建築の美しさがちりばめられています。
螺旋階段もこの通りです。

修道院のテラスからは、メルクの町とドナウの流れが望めます。(メルクはドナウの支流に面しています。写真右手に10分ほど歩いたところにドナウ川クルーズの船着場があります。
