ムオン族の村を訪ねて~早春のハノイ(4)

c0039428_23174098.gif滞在3日目には、少数民族の1つムオン族の村を日帰りで訪ねました。
ベトナムには全部で26の民族が住んでいるそうですが、ムオン族はその1つ。最も人数の多いキン族に近い民族でハノイの西側のホアビン省などの高地に住んでいるそうです。(ムオン族はハノイの西側、紫色の部分)

ハノイ市内を出て、まっすぐ西へ。ゆるい傾斜の道です。
ときどきちょっとした集落を通り抜けるのですが、そんな集落では山間地から出てきた人々が野菜や生肉を並べて野外市を開いているのが見られます。

異常気象で平年より寒く、田植えはまだでしたが、田んぼの向こうにモクモク煙を出している大きな建物は煉瓦製造工場。
この近辺は赤土。煉瓦の材料はいくらでもあります。

ベトナムは、今、建築ブーム。
ハノイ郊外の道路沿いでは、狭い敷地に4階建ての民家がにょきにょき建てられています。
材料の煉瓦を作る工場は大忙しなのでしょう。

c0039428_23233228.jpg

ホアビン省の省都の市街からさらに山道に分け入って、約20分ほど、
c0039428_23252572.jpg高台にあるムオン族の村に着きました。村の下方にむかってなだらかに棚田が開けています。
谷間に美しく開けた棚田を見ると、長年にわたって丹精こめて稲作を続けてきたことが良くわかります。
ムオン族の家は高床式。家の横には水牛小屋があります。


c0039428_23272995.jpg


村の入り口に車を止めて歩き始めると、小柄な老女が何か話しかけながら私たちの前や後ろを離れずについてきます。どうせ、どこかでお金でもせびられるのではと警戒しながら歩いていくと村の一番奥にある一軒の高床式の民家の前に立ち止まり、臼や唐箕を使って農作業の実演を始めました。そしてその民家の主婦に声をかけ、私たちにその家に入るように招き入れました。

梯子を使って入ったムオン族の高床式住居の中
奥には台所。部屋の隅には炉があって煮炊きができるようになっています。
c0039428_23293718.jpg「テト(ベトナムの正月)の直後だから」といってこの家の主婦が料理してくれたのはバナナの葉に包んだお餅。
1センチほどの輪切りにし、油であげてくれました。
青豆入りのお餅、とてもおいしかったです。

c0039428_23305680.jpgそれから取り出してきたのが、甕に入ったドブロク。米が原料。何かの木を使って発酵させたものだとか。
細い竹が何本も入れられています。
お祝いのときにみんなでこの竹をストローのようにして飲むのだそうです。

飲むように勧められました。つれあいが断ると(肝炎に感染することを恐れたのだそうです)気を悪くしているので、やや躊躇したのですが、ちょっと飲む真似をしました。日本酒に似た香りの甘い酒でした。
c0039428_23321693.jpgさて、ここで村の入り口からついてきた老女がまた登場。
薄暗い部屋の隅に掛けられた布や袋をどれか買ってほしいとのこと。
予期していたことではありましたが、やはりです。

お餅も食べたし、何か買ってもと思ったのですが、薄汚れた古布ばかり。少数民族の布を収集している私なのですが、ほしいものはありません。

やむなく一番小さな刺繍布を選び、値段を聞いたところ10万ドン(約700円)だといいます。ありえない値段です。ハノイ市内でも平均月収は日本円で1万5千円なのですから。
買わないからといって元の場所に戻すと5万ドンでいいというので、高いとは思いましたが、5万ドンを支払いました。

現金収入のないムオン族の村。男達はホアビンの市街に働きに出ていて、村に残っているのは女性と子どもだけということでした。

現地の物の価値としてこの布が5万ドンということはありえないでしょう。
現金収入のないムオン族の人にとっての5万ドンはかなりの額であっても私にとって5万ドンはコーヒー一杯程度の金額でしかありません。
途上国を旅行するとこういう思いはしばしば経験すること。そういうときにいつも思うのです。これはdonationなのだと。

村にはフランス人のグループが来ていましたが、そのグループをめがけて家々から女達が商売道具の古布を手に手に飛び出していきました。
フランス人たちはみな苦い表情でした。
c0039428_2334571.jpgホアビン市街をちょっと外れたところにある高床式の外国人向けホテルの食堂で昼食をとりました。外国人観光客向けのこういった施設がところどころにあるようです。

隣で食事していたのはパリ郊外から来たフランス人の夫婦。
車一台とガイドを雇い2週間のベトナム縦断旅行の途中で、これからさらに奥の少数民族の村に入るということでした。ガイドの話では、欧米からの旅行者は少数民族の村を訪ねて数日を過ごすということでした。

帰路振り返るとホアビンの山の山頂にホーチミンの彫像が天をつくようにそびえていました。ホーチミンはこのあたりの山中にあって独立戦争を戦ったのだそうです。
[PR]
by small-small-world | 2008-03-09 23:18 |    早春のハノイ2008 | Comments(0)